「2004年関西旅・・・はじめてのUSJ」

 

1.さて、そろそろ大阪に行く準備でもしようか・・・

 7月中旬・・・まぁ、そろそろ夏休みの旅行先でも考えようか・・・世間のみんなが同じようなことを考えそうなこの時期にわたしも例外なく同じことを考えていた。

 しかし、世間のみながバカンスとして旅行先をステディな誰かとでもうきうき探しているのとはちょっと違った。

 旅は僕にとっての栄養源とも言える存在である。以前の職場の上司には「この子はひょっとするとすぐどっか行ってしまうのね」と評されていたし、確かに、連休というと有給休暇をつなげて常にどこかに旅してきた。

 ここで「旅行」という言葉を使わず「旅」と表現しているのは、わたしの旅がほとんどが一人旅であり、楽しみは楽しみであるが楽しみというよりは、身体が欲するから移動する、そんな本能的な欲求に従っているものであるような気がするから。見ず知らずの土地で数日間なりとも一人で生き抜いてみるちょっとしたスリルを味わうということに主眼が置かれているような気がするので、レクリエーション的な響きのある「旅行」よりも「旅」の方が似つかわしいと思って、あえてこだわって使っている。

 だから、のどが渇いたら飲み物を飲みたくなるのと同じように、僕はしばらく旅をしていないととても旅がしたくなる体質だ。この4月から新しい職場に移ったため、新しい業務で慣れていないということもあり、なかなか休めなかったし、GWに八丈島に行って以来、旅とはご無沙汰であったので、7月になるや、どこに行こうかと考え始めたのも無理はないところだったのだ。

 そう「旅」先を探して・・・

 一番休みやすいのはお盆時だ。お盆時どこへ行こうか・・・

 大阪

 まず思い浮かんだのがここだ。ここ数年お盆時に休みを取って大阪を中心とした関西を必ず旅している。

 それは、僕が甲子園高校野球の熱戦を生で見るのが好きということもあるし、大阪に大学時代からの知己がいて毎年一杯酌み交わすのが好きということもある。関西の安くてうまい食事も大好きだ。

 しかし、お盆時の関西はやたら暑い。暑い時に暑いところへ行くというのはいかにも逆説的であるし、その逆説性は「旅行」では許されないものの(夏のバカンスとして「大阪に行こう」と彼氏なり彼女なりに言ってみるといい、多くの場合バカ言ってんじゃないわよとなるだろう・・・やはり海とか山が無難である)、「旅」ではその逆説性は肯定される。

 しかし、そろそろ、わたしも三十路に入って2年目である。そんな逆説的なストイックな「旅」ばかりしていていいのかという思いもでてきていた。もうちょっと楽しんだっていいのではないか・・・

 そう思うと、大阪が果たしていいのかどうか・・・。なるほど、甲子園高校野球はそこでしか見れないすばらしいものではあるが、とにかく暑い。日・熱射病対策をしっかり考えないと行けないほどの酷暑である。バカンスとはほど遠い。、大阪は確かに安くてうまいものが目白押しだが、わざわざそれを新幹線で食べに行くほどであろうか。

 微妙になってきていた・・・。

 そんな微妙な思いを抱えながらも、旅行社で安い大阪ツアーがないか聞いていた時、結構、高級系のホテルに泊まれて往復新幹線が付いて手頃なツアーが見つかったのだ。

 今までの僕の関西「旅」は夜行バスを使ったり、安いホテルを使ったり、逆説性にふさわしく、やたらストイックで苦労を伴うものであった。夜行バスは必ず寝不足になる。無理があるのだ、揺れるバスで熟睡することなんてできない。大阪駅の郵便局側のバスストップに早朝6時なりに着いたらそのまま阪神電車に乗り、甲子園へ。朝早いからチケットは余裕で取れたりするし、ローソンの前売りで買っておくこともあるが、そこからは耐暑大会でもある。そういう逆説性とともに僕の関西「旅」はある。

 でも、その逆説性からの脱却を考えていた時に、なるほど、高級ホテルで往復が東海道新幹線の中でも速いし高級な「のぞみ」に乗って往復できて、しかも、指定席が取れるとなれば・・・それが大阪であっても逆説的とばかりはならないだろう。そして、逆説性からの脱却を図りつつ、大阪の知己との一杯酌み交わす例年行事も行える。

 まよわず、申し込んだのだ。

 ホテルは一泊だけ取った。大阪東急ホテル。

 東急インとかは若干安い気もするが、東急ホテル系は高い系のイメージがあるのだ。実際自分で予約して泊まったことはない。そして、朝食のバイキングもつく。それも楽しみだ。ホテルでの朝食バイキングなんてバカンスチックではないか。今はさほどでもないが、昔は大食いに幸せを求めていた僕としては、バイキングという響きにはそこはかとない魅惑を感じるわけだ。

 しかも、あとで調べてみると、大阪東急ホテルにはプールも併設されているらしいし、宿泊客は使えそうだ。最近、水泳が大好きになっていて週3回ペースではプールに行っている私としてはそれも魅力だ。

 高級ホテルでプール。ちょっとした桃源郷ではないか。

 「旅」の逆説性は薄れた。でもいいではないか・・・三十路にもなったんだから一人「旅」とはいえ、逆説性ばかりではなく、それなりに快楽を追求したって罰は当たらないはずだ。それに、大阪と言うだけで十分に逆説的だ。

 誰かに、お盆時に休みを取って大阪に行くことを話したら、「あれ?大津さんは大阪出身でしたっけ?」

 かくっ・・・そうだよね、この時期に大阪に行くと言ったら、帰省チックだよね、誰もバカンスとは思わない・・・。

2004年8月12日(木) 10:00  大阪に向かう「のぞみ」車中

 

2.USJにも行くことに

 前章で、今回の大阪旅においては逆説性からの脱却を図りたいと思っていることは語った。

 まぁ、のぞみ号往復で、高級ホテルということで十分脱却したかなと思っていた。

 このホームページ上の一コンテンツである「今日の一語り」上で大阪に行こうかなと書いていたら・・・関西在住の方からオフで会いましょうよというオファーがあった。

 その人とはかなり昔からのネット上での知り合いであったので、いいですねということで・・。

 どこに行こうかと話で、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に落ち着いた。

 映画が3度の食事と同じくらい大好きな僕としては一度は行ってみたいテーマパークであった。要するにディズニーファンが一度は東京ディズニーランドに行ってみたいのと同様に、映画ファンとしては一度は行ってみたいところであった。

 毎年大阪には行っているにもかかわらず、そしてとても行きたい場所であるにもかかわらず、さすがに「一人」では行けない場所であるので行けていなかったといい皮肉な場所でもあったのだが、今回は行ってくれる人が初めてできたのはとってもうれしいことである。

 そう、逆説性とは対局の位置にあるUSJに今回行くことによって、逆説性は完全に払拭されたと言ってもよい。

 その人にチケットまで手配してもらって、とても感謝である。

 

 今回は、ほかに、サントリーのウイスキー「山崎」で有名な京都の山崎蒸留所にも行こうと思っている。ウイスキー好きな私としては、今年はぜひ行こうと思っていた場所であるし、山崎を訪れることによって、日本全国の4蒸留所のすべてを回ったことにもなるわけだ。

 そして、大阪は鶴橋でうまい焼肉を、大阪在住の知己と食す予定である。鶴橋は大阪のコリアタウンとして名高く、韓国には2度訪れたり、コリアファンの私としてはやはり一度は行ってみたかったところ。

 こう考えてくると、大阪旅もストイックとばかりは言えず、なかなか良さそうな気分になってきた。ちょっといいではないか。

 あとは・・・なんばグランド花月で吉本を生で見てこようかなとも考えている(これは去年に既に体験済みではあるが・・・)が・・・こうなると、甲子園はどこに行ったの?という思いも湧くが。

 楽しんでみようと思います。関西をね♪

 

2004年8月12日(木) 10:25  大阪に向かう「のぞみ」車中

3.生まれて初めてのUSJ

 ということで、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に行ってきました。

 ユニバーサル・スタジオ自体は、アメリカはハリウッドにあるハリウッド映画をテーマにしたテーマパーク。昔の言い方で言えば、遊園地といったところでしょうか。

 とっても楽しかったですね。テーマパークなんて何年か前の、元カノさんがいた頃に行ったTDL(東京ディズニーランド)以来だったので、それこそ5,6年ぶりと言うことになるのでしょうか。

 今回の同行の知人の方と、12時頃落ち合って、ゴーゴー。オンラインでのつながりの人とオフでご対面という瞬間はいつも緊張するものですが、その方が関西の方だったせいか、そんなにお互い構えずに、どうも♪って感じでいけたのかなぁ・・・。

 同行の知人がチケットを手配していくれていたので、すいすいと入れました♪(ありがとう♪)

アメリカの映画の町並みを再現していてなんか通りを通るだけでもワクワクです。

 お盆時のテーマパークということで、すっごい混みを予想していたのですが、路上はそんなに混んではいませんでしたが、アトラクションに並ぶと、分かります。やはり80分待ちとか表示されています。人がいっぱいいます(^-^)

 それでも、一アトラクションにつき2時間は余裕で並んだりするTDLに比べると待ち時間も少ない感じ。しかも、表に表示されている待ち時間より短い時間で入れる感じでした。

 行ったアトラクションは

  1. バック・トゥ・ザ・フューチャー
  2. ジュラシックパーク
  3. ジョーズ
  4. バックドラフト
  5. ターミネーター

 すべて、有名なハリウッド映画ですね♪私はすべて見たことがあったので、その意味からも楽しめたかも。

それぞれちょっと感想を・・・

 

◎バック・トゥ・ザ・フューチャー

これはライド系(乗り物ですね)。映画でも出てくる悪役の主役ビフがタイムマシンであるデロリアン(車ですな)を盗んでしまって追うという設定。デロリアンの模型に乗っていくというアトラクション。実際に、走る車に乗るわけではなく、揺れる車の模型と、視覚効果を重ね合わせている近未来型乗り物というところですし、東京でもジョイポリスなどの大型ゲーセンで似たようなものに乗れますが、デロリアンが映画そっくりの実物大になっているところに感情移入ができますし、あと、繰り広げられるストーリーも面白く・・・バック・トゥ・ザ・フューチャー・・ワクワクして見た方には、かなりオススメ。

◎ジュラシックパーク

これもライド系(乗り物)。いわゆるすっごいジェットコースターです。落下してきて水をざっばーんとかぶる感じ。これは物理的な移動がアトラクションですな。TDLで言うとスプラッシュマウンテンという乗り物に近似。
映画ジュラシックパーク自体ははっきりいって大して面白くもない映画だと思っているけど、このアトラクションは一押し。
落ちる瞬間に、向かってくるティラノサウルスに釘付けになっていたら、重力がなくなってヒューっみたいな感じでざっばーんと水をかぶる。この絶妙なミックスが、よかったです。

余談ですが、元カノさんがジェットコースターに乗れない人だったので、TDLでスプラッシュマウンテンに乗れなかった思い出があるので、今回乗れたのはすっごくうれしかったかも(^-^)

◎ジョーズ

USJでもっとも有名なアトラクション。船に乗って、ジョーズの海を行くというやはりライド系ではあります。
映画もスピルバーグの名画と言ってよいもの。
でも、アトラクション自体は、ジョーズが作り物っぽくて、僕にはあまりすごく感じませんでした。
しかし、途中、炎ががーんと出てきて、マジで熱い。あれはびっくりした・・・その点一回は乗ってもいいかなという感じのアトラクションと言えましょう。
ジョーズは名画なので、その意味でも、一回は押さえておかないとという意味もあります。

◎バックドラフト

これは、ライド系ではなく見る系。バックドラフトとは、消防士を描いた近年の映画です。僕はこの映画が大好きだったのでぜひ行ってみたいと思っていたこともあります。
3シーンに別れていて、第1シーン、第2シーンは正直たいしたことはありません。映画のメイキング話・・・バックドラフトを見て大好きだった私は興味あったんですが、そうじゃない人には評価が分かれるかもしれません。

しかし、第3シーン。映画バックドラフトのファイナルシーン舞台は、化学工場の火災シーンなのですが、その再現です。ちょろっと炎がでるだけだろうと予想していましたが・・・これはマジでこわいです。同行者の方は、心臓に来てしまったそうです(^-^)それくらいこわい。

炎の怖さを体験していただきましょうったって、ほどがありますという感じもするくらい。

私自身はとても楽しめたのですが、それでも、びっくりするほどの炎の噴煙はありましたし・・・前に立っていたおばさんは耳を押さえて後ろに下がってしゃがみ込んでしまっていました。

心臓が弱くない方はすっごいオススメです♪

でも消防士にはなれないなと感じさせられたものでもあります。

◎ターミネーター

あの、大ヒット映画ターミネーターシリーズをテーマにした、見る系アトラクション。
綾小路さんというお姉さんがナビゲーターで出てくるのですが、ちょっと変です。お客に突っ込み入れています。しかもすごい毒舌です。当てられたくありません。でも人がいじめられているのを見るとなんか楽しいです。

みたいな、つかみはバッチリな状況から、実際にサイバーダイン社でのターミネーターの奮闘ショーという感じですが、3D効果もここまで来たかという思いにひたれる、なかなか迫力のあるショーでした。

見る系だから大丈夫かと思っていたら結構びっくりする仕掛けもあったりして、飽きない演出。そんなに長く並ばなくて済みますし、オススメです。

 

 そんな感じで、12時くらいから8時くらいまでいましたが、めいっぱい楽しめたUSJ。とっても面白かったです。

 想像以上に迫力があったし、想像以上に映画ファンとしての楽しみもあった(それだけ原作の魅力も忠実に再現してるという感じ)。

 同行してくれた知人には、僕の長年の夢をかなえてくれて、本当にありがとうと言いたいですね♪そして、一日お疲れ様でした。

バック・トゥ・ザ・フューチャーのタイムマシンであるデロリアンの前で♪

 

2004年8月14日(木) 10:25  ホテルにて

4.桃源郷・・・かな・・・東急ホテル

 ということで、めいっぱいUSJで遊んだ後は、桃源郷たる大阪東急ホテルへチェックイン。

 茶屋町という、大阪駅や梅田駅から至近のとてもいい立地である。そこからして、ちょっと桃源郷である。

 なるほど、高級ホテルだけに、フロントもきちんとしているわけで・・・僕みたいないかにも平民なルックな相手にも、かなり丁寧に接してくれる。

 でも、さすがに、ベルボーイさんが荷物を運んでくれるわけじゃなかった(^-^)そりゃ、そうか。

 部屋は、ツインの部屋であった・・・ほほー。一人でツインの部屋を占拠できるとはちょっとぜいたく感がある。そして、いろいろな調度も高級感にあふれている。さすがだ。

 なかなか期待通りでよかったのだが、期待はずれてしまったのは、プール。宿泊者は無料かと勝手に思いこんでいたのだが、実は、宿泊者は半額にはなるものの、それでも1500円を取られるらしい・・・。ということでプールにはいることは断念したのだが。

 でも、翌日の朝食バイキングは期待通り、和洋食取り混ぜて高級食材もたくさんあって・・・なんたって、朝からパンケーキなんざ活かしてるじゃないですか。ってことで満腹幸せになったのでした。

 こんな部屋でした

 

2004年8月15日(木) 1:15  ホテルにて

 

5.造幣博物館へ

 大阪、二日目の朝。まぁバイキングで幸せになって、そして、大阪東急ホテルは12時までいれるレイトチェックアウトができるので、ゆっくり。

 その後、どこにいこうかなって・・・前々から行きたかったのが大阪といえば造幣局。

 国の施設はほとんどは本局は東京近辺にある中、造幣局だけは大阪が本局。ほら、造幣局の桜の通り抜けってやたら有名だったりするじゃないですか・・。

 ということで行ってきたんですがね。

 本当は工場見学をしたかったのだけど、工場はお盆休みで見れない。併設されている造幣博物館に行ったわけですよ。

 で、造幣局って言うから、お金一般を作っているものと思いがちだけど、お金はお金でもお札は日本銀行券ですから・・・国が作るわけじゃないわけですね。国の施設である造幣局が作っているのは硬貨だけのようなんですね。

 どうりで展示物とか製造工程展示とかがコインだけだなぁなんて、単純なことに気づきつつ・・・

 結構迫力ありました。世界のコインががーっと並んでいます。日本の金銀小判もがーんとあったりして、たいそう面白かったし・・・。

 館長さんが出てきて、夏休みだから特別と言うことで、本物の小判大判を見せてくれて、小判は手に取らせてくれたりしたのもすごかった。

 ひそかに、穴場プレイスでしたよ。お盆休み中だというのに空いている・・・立地もちょっと悪いのでそうなんでしょうが、コイン好きにはたまらないプレイスです。

 今度は、ぜひ、工場見学もしてみたいなぁ(^-^)

 世界のコイン

 大判

 

 

2004年8月15日(木) 1:25  ホテルにて

 

6.鶴橋で焼肉を

 造幣博物館を出た後、大阪在住の旧友と落ち合った。

 大阪は鶴橋でうまい焼肉を、食べようということなのだ。旧友は早めに来て、予約をしてくれていた。とても感謝♪(でも、ちょっとコストがかかるので、その店には行かなくなってしまったが・・・)

 鶴橋は大阪のコリアタウンとして名高く、韓国には2度訪れたり、コリアファンの私としてはやはり一度は行ってみたかったところ。

 実際、かなりのディープなプレイスで・・・実際、韓国のディーププレイスを歩いたこともある私にしても、なかなかここはすごいぞと思わさせられた場所。

 コリアタウンらしく、焼肉屋が乱立。地下鉄の出口をでるともう、においがしているという感じ。すごいぞここはという感じ。

 適当な焼き肉屋に決めて入り、食す。久々の友との会話も弾み、肉もうまかった。

 なかなかよいぞ、鶴橋。でも、肉の値段は決して安くはない・・・そこが、大人な街だなと感じた。

 鶴橋の通り (アムソってところで食べました)

 うまかったですねぇ

 

2004年8月15日(木) 1:55  ホテルにて

 

7.山崎蒸留所を訪問

 さて、これで大阪滞在3日目。昨日、焼肉を食べた余韻にひたりつつ・・・そこそこ早起きをす。

 なぜかというと、サントリーの山崎蒸留所を訪ねるためである。「なにも足さない、なにも引かない、サントリー山崎12年」という有名なキャッチコピーである、あの山崎蒸留所。

 今回の旅のメインテーマでもある。

 僕は、ウイスキーがなんか好きで・・・全国の蒸留所を訪ねて回ってきた。日本で主要なウイスキー蒸留所はたった4つだ。

 ニッカウヰスキーが持つ、北海道は余市蒸留所。宮城県の仙台市新川の蒸留所。サントリーが持つ山梨県は白州蒸留所。そして、今回訪れた、京都は山崎蒸留所。

 そして、僕は、前者3つは既に何度も訪れていたので、この山崎を訪れてグランドスラムということになろうか・・・日本の主要蒸留所をすべて回ったということになる。だからこそ、ぜひにも訪れたいと思っていたし、今度関西旅をするなら絶対ここを訪れようそう思っていたわけだから、少々の早起きなどものともしない(実は昨日は焼肉の後にバーに行って旧友と呑み語りをしていたので、まぁ、早起きはつらい状況ではあったのだが)。

 さて、上記4つの蒸留所の中でも山崎蒸留所はぴかいちに有名だろう。

 チェーン系の居酒屋・・そう、あまりウイスキーなどには頓着しないと思われる場所でも、意外に「山崎」はおいてあったりするものであるのだから。

 さて、当然工場見学は予約していったのだが、それだけではないのだ。原酒テイスティングツアーというものが行われるということで、この日に行くことにしたのだ。

 工場見学は無料である。ただ、この原酒テイスティングツアーは2000円を取られるのである。そして、工場の職員が講師としてついてくれて、ウイスキーについてうんちくを聞かせて頂きながら、樽出し原酒を試飲させてくれるというものである。

 12時からの工場見学には一般の人と参加し、13時からは原酒テイスティングツアーの開始である。

 ウイスキー通の端くれを自認する私としては当然、この原酒テイスティングツアーを逃す手はないと、2000円のコストを惜しみはしなかったのである。

 工場見学は、やはり夏休みと言うこともあろう。子ども連れの家族連れも多い。ましてや乳母車を押している家族連れもいて・・・うーん、そんな赤子の頃からウイスキー工場を見学させたりすると将来のんべになってしまわないかと思うが、まぁ、いいのだろう。なんとなく、いつもの感じで終わるわけだ。他の蒸留所を何度も回っている私としては別に目新しい情報があるわけでもない。なるほどね、という感じ。ただ、山崎の蒸留所の規模が意外に小さめなのかなと感じたくらいかな。

 13時からの原酒テイスティングツアーは大人の世界である。わざわざ2000円を払ってまで、参加したいという猛者達の集まりである。みんなすんごいウイスキー党なのであろう。ワクワクしているのが伝わってくるわけだね。もちろん、僕もワクワクしている。

 樽出し原酒を飲めるのだから・・・。

 ここでちょっと説明しておこう。樽出し原酒だからってなに?という疑問もあろう。

 ウイスキーというのは、たくさんの樽で蒸留されたものをブレンドして製品化するということがポイントである。ウイスキーというのは樽によっていろいろ特色が出る。樽の味が12年なり寝かすことによってしみ出すのがウイスキーなわけであるから、樽によって味やにおいが違ってくるのは当然なわけであるが、例えば、ひとつの商品について味が違ってはまずいわけである。だから、ブレンダーさんが、種々の樽から色々ブレンドして、平均的な製品を作り出している・・・これが市販のウイスキー。

 だから、われわれが、普通に酒屋さんでウイスキーを買って飲んだり、バーで飲んだりすると、様々な樽のウイスキーが混ざっているということになるわけだ。

 しかし、わざわざひとつの樽から出したものをそのまま瓶詰めしたものを、シングルカスクの原酒というわけだが・・・そういうのは、ネット通販などで買うなどある特定のルートでしか手に入らないものである。しかも高い。

 ここまでの説明で分かって頂けたと思う。樽からその場で出して飲むという体験は、ほぼできないわけだよね。シングルカスクの原酒を購入して飲んだって、どの樽だったかということは買った側はわかり得ない訳なんだしね。

 ということで、今回の原酒テイスティングツアーでは、自分たちで樽からすくい取って飲むという・・・そう、この樽からのお酒なんだということがよくわかる、とても貴重な体験ができる日なのである。

 さて、この原酒テイスティングツアー・・・一人の職員さんがついて、ものすごく深いうんちくを聞かせてくれた。へぇ〜20連発という感じ。とてもウイスキーが好きな人で、もう、好きで好きでたまらないから話も止まらないのだという感じでもある。

 まずは、シングルカスクではないが、それに近い、原酒を傾けながら、樽の前でうんちくを聞く。

 そして、今度は試飲室に移って、実際に樽から酒を抜き取る作業を4班に分かれてする。これまた貴重な体験。

 そして、また、うんちくを聞きながら試飲。

 4種類のものを飲んだのだが、バーボン樽のもの、スモーキー樽のもの、シェリー樽のもの、ミズナラ樽のもの。どれも10年は超えた寝かせの入った樽出し原酒。

 最後のミズナラ樽のものなどは40年以上寝かせていたものであって、伽羅香という非常に面白い香りがするものに仕上がっていて、貴重さは計り知れないものであるそうで・・・なるほど、とっても美味しかった。

 一番右がミズナラ樽原酒。美味しい。

 同じ班になった人たちと話をしたりすると、まだまだ、自分が甘甘なウイスキー党であることが思い知らされ・・・なるほど、4蒸留所は回ったけれども、もっとしっかり学んでいかないとなと思わされるほど、造形が深い人たちが多かったなぁ。

 そして、なにより、講師の職員のウイスキーに対する愛情がひしひしと伝わってきて・・・本当に講義は延びたしね。

 我が班はとりわけ熱心な人が多かったらしく、講義終了後も残って講師を囲んで雑談。講師もいい感じに酔っぱらっていて、こっちも酔っぱらっていて、なかなかいい感じに雑談や質問が盛り上がったのだが・・・いやー、いい話を聞けたなぁと思った次第。

 例えば、サントリーの「山崎」はこんなに普及しているのに、なぜ「白州」は広まっていないのでしょうか?と問うと、それは山崎の方が歴史が古く原酒のストックが十分にあるので、需要がいくら高まっても大丈夫だが、白州はまだそこまでには至らないので・・・という非常に納得できる回答が即座に帰ってきてとても、納得できたりしたりね。

 講師と別れた後、テイスティングコーナーで、響17年を試飲。やったらめったらうまかった。500円かかったけどね。

 これからもいろいろウイスキー学んでいこうと心新たにした。

 「好きです」・・・今ならためらわずに言える。

 そう、僕はウイスキーが本当に好きだったんだ、そう気づいた。

 

2004年8月15日(日) 22:30  帰途、新幹線「のぞみ」車中

8.大阪最終日

 大阪滞在4日目、8月15日終戦の日。今日が大阪最終日である。

 今日も朝から早起き・・・というのはNGKの朝一の公演に行くためである。

 NGKって分かる?・・・そう、なんばグランド花月である。吉本興業の本拠地である。本場もんの笑いを観に行こうというわけ・・・。実は去年の大阪旅でも見たんだけどね・・・やっぱ本場もんの笑いはとても面白かったので、今回も行こうかなというわけ。

 NGK前

 やはり、生は面白い。海原やすよ・ともこ、フットボールアワー、中川家(弟のみ)、桂文珍など・・・みな一様に面白い。本場物はいいね。

 それからWTCに行く。大阪臨海部にあるでっかいタワービル。松本零次監修の、コスモタワーというのがあるらしいので、行ってみるのだ。僕はかの名作アニメドラマ「銀河鉄道999」の大ファンだし、実は自分があの車掌さんにとてもよく似ていると思っているので、思い入れがあるわけで・・・。

  

 なかなかいい眺めに感動。そして、確かに、999チックな趣向が施されたビルであった。なるほど・・・。松本零次先生もまだまだ現役でがんばっておられるようで、また次回作が出るようである。

 そして、ホテルのプールにはいるつもりで持ってきた水着があったので、臨海部にあった、「大阪プール」に寄る。21時過ぎまでまだ時間があったので、もう3日も運動をしていないとなまってきている感覚があったので、一泳ぎしていこうと・・・350mほど泳ぐ。18時ちょうどにみんなプールサイドに上がるからなんだろうと思ったら、みんなでラジオ体操を始めた。僕もしたけど・・・珍しいプールだなぁ。みんなでやるんだよ。700円かかったけどとってもきれいなプールであった。

 その後、なんばの回転寿司食べ放題「Ryugu亭」に足を運ぶ。1500円(税抜)で食べ放題なので、大阪最後の夜にはふさわしかろうというわけで来たわけだ。以前にも来たことがあるので、ぜんぜん迷わずに来る。東大を目指して大阪の予備校に夏期講習に来ていた高校生と同席になったので、話していくうちに人生論を語ってしまった。オヤジっぽくなってしまったものだ。

 食べ放題となるとどうしても食べすぎてしまうものだ・・・おいしかったからね・・・。関東じゃ食べられないよ・・・こんなに安くてうまい寿司。お腹いっぱいのまま、新幹線へ乗り込む。

 やったら充実していた大阪旅もこれで終了だ。来年はもっと知り合いを増やして、大阪ではオフ会のみという感じにしないと、ほとんど見尽くしてしまったのできついな、なんて考えながら帰ってきた(^-^)

 

2004年8月16日(月) 23:30  家、にて

 

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