素直に悲しいって言ってみようよ・・・ね? 〜2004年クリスマスに寄せて〜


  クリスマスのシーズンである。最近は不況のあおりもあってか、こんなイベント時ででもないと奢侈品に消費者の堅い財布のひもはゆるまないと見るのか、年々クリスマス的雰囲気の盛り上げが強くなってきていると感じるのは私だけだろうか?

 今まで・・・そう、何年間も彼女がいない「もてない」男としてクリスマスを語ってきた。

 

 クリスマスなんて単なるイベントさと強がっていたこともあるし、まぁ、クリスマスはクリスマスで楽しんじゃおうよとやや無理が入っていたにしろ余裕を見せていたこともある。

 しかしながら、やはり、商売としてはカップルが高価なプレゼントをするというのが利幅が広いと考えるのだろうか、企業を初めとして世の中クリスマスはカップルでという風潮が一般的だ。

 なぜあんなに高いお金をかけてイルミネーションを飾るのか。それはロマンティックなカップル向けのムードを高めて高いレストランで高いディナーをさせ、高価なプレゼントを贈り合うという経済効果を狙ってに違いないことは誰だって分かるだろう。

 そういう企業の扇動に乗る形で、やはりクリスマスはカップルでという盛り上げ方をされてきている世の中の、クリスマスラブラブムードのジュウタン爆撃をを常時被弾しているとなると、やっぱり、クリスマスが一人というのはしゃれにならないし、つまらないし、やっぱり、わびしい。

 クリスマスなんて行事はどうでもいいよ、クリスマスなんて大ッキライと強がっちゃうのもそれはそれですごく素敵だ。特に若い頃はそうあるべしと思う。そうだな・・・大学生から20代くらいまでは強がってさ、なんならクリスマスに向けて彼女・彼氏の一人くらい作っちまおうじゃないかという気概は欲しい。

 しかしね・・・僕は、ここで独りのクリスマスを語るのはもう何年目だろうか・・・30も超えた今となると、強がる方が痛々しい気がする。

 また、同年代の女性がそう強がっているのも見ていてあまりなぁ・・・とも思う。

 

 やっぱ、寂しいし、切ないし、わびしいし、哀しいし悲しいってことを素直に認めちゃっている方が自然かと思うんだよね。

 そう、僕は寂しいし、切ないし、わびしいし、悲しいです。三十路シングルクリスマスは。ことさらこの状態が何年も続いてきている今年は。

 寂しくないさ、悲しくなんてないさと「そうじゃないよと」強がって吠えることは若い者だってできる。でも、寂しいし悲しいよと認めることはなかなかできない。

 だからこそ、それができるのはかえって強いと言えないだろうか。

 

 だからさ、素直に言ってみようよ、悲しいって。

 

 言ってみて本当に悲しくなったら、次にすべきことはわかっているはずだよね。

(2004.12.20)

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