彼女が目を覚ましたら・・・

 

 まあ、僕は、毎日毎日首都圏の通勤電車に乗って通勤している。まあ、だいたい、電車の座席というのは7人がけである場合が多い。長距離線や4ドアの車両はそうではないが、一般的には7人がけの座席(車両の両端は3人がけ)というスタイルが一般的。

 その電車の座席を単純に図式化してみると、下のようになる。まあ、現実には一人で二人分占有していたりして7人になるとは限らないのだがね。

 まあ、ある時、僕が電車に乗ってたんだ・・そう、2番の席に座ったんだ。

 隣の3番の席には若い女性が座っていた。1番から7番までみんな埋まっていたんだよね。

 したら、隣の女性が寝始めたんだ。よほど疲れてたんでしょう・・若いひとの言葉を借りれば、"爆睡"と表現するのがとてもふさわしいような熟睡ぶりであった。

 まあ、そういうわけで、非常な勢いで僕の方によりかかられたわけだよね。はっと気づいて立て直すけど、いわゆる爆睡状態であるから、またすぐによりかかられる。僕も、彼女はよほど疲れているんだろうなと思いつつ無理して押し返したりしなかったんよ。え?うれしかったろうって?・・・そんなことはないんだよね、あまり。

 実際、電車で寄りかかられたことがある方はあまりそれが心地よいものでないことはおわかりであろう。そして、僕が逆におじさんに寄りかかってしまった時、グーでこめかみを押し返されたことがあったりした(そのおじさんもよほどいやだったんだろうね・・反省)。かように、いくら若い女性だと言っても爆睡状態でもろに寄りかかられるのはたいして心地よいものではないことは容易に想像して頂けると思う。

 でもね、寄りかからせたげようという、ある種の親心であったのだね・・(ちょっと恩着せがましいかな(^-^))

 でもさ、電車が進むにつれ、1番と4番、そして5番から7番までの人たちがみんな降りちゃったんだよ。そして、そこに座る新たな人もいなかった・・・

 ということで、7連の座席には、私と彼女とだけで、隣り合っていたわけ。こういう場合は、別に決まりはないんだろうけど、お互い7連の座席の両端に座ることが普通のようだよね、そう、1番と7番の席に(これは心理学的にとても興味深いテーマだと思うが・・そのポジショニングを好む傾向に関してはね♪)。でもさ、彼女は爆睡状態で、寄りかかり継続中だったわけで・・・

 まるで、デビアスダイアモンドの「彼女が目を覚ましたら・・彼女が目を覚ましたら」と同じような状況(^-^)

 私がもし、端っこの席に身をずらしたら、多分、その爆睡中の女性は倒れそうやなぁ・・・と思われた。だから、動けなかったんだよなぁ・・僕ぁ・・・。別に恋人同士でもないのに、肩貸して、身体預けられている男と女・・・妙だよなぁという気まずさはあったけど、動けんかったわけで・・

 すると彼女が目を覚ました・・・

 即座に移動したね、端っこに・・うーむ、僕の逡巡はなんだったのか・・・。いや、別にお礼を言ってもらわなくてもよいし、なんなんだけどさ・・・多少の違和感は残った。だって、これでは、僕が若い女の子に寄りかかられているのを継続したいがために端の1番エリアに移らなかったようではないか・・そうではないのに・・・という違和感。

 うーん、まあ、一番安定したポジショニングに落ち着いたわけであるが・・・

 ま、いつかは本当に好きな人と、 デビアスダイアモンドの「彼女が目を覚ましたら・・彼女が目を覚ましたら」と同じような状況 、に陥ってみるよ。その時の予行演習と思えばいいよね。

 でも、それが京浜東北線だったとかでも、それはそれで色気ない話だなぁとも思ってみる。そして、ダイヤモンド握り締めて虎視眈々とその機会を狙っているのもそれはそれで・・・

 

2002年6月15日

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