未婚結婚志願男性の苦労に見る「結婚戦線」
三十路間近の29才のさえない独身サラリーマン男3人組が、結婚をすることを目指して、合コンに参加するやら、告白するやら、そしてだまされるやら、フラれるやらといったどたばたコメディー作品なのだが、このようなドラマが放映されること自体に現代の独身男性の「もてない」事情がとてもよく表れていると思うのだ。
このドラマで、結婚を目指してバタバタとするのが男性として描かれているのが生々しい。実際、結婚したいけどできずにバタバタするのは男性の側の方が多いだろうね。合コンなり、お見合いパーティでの価格設定を見ても、男性の負担額が女性の負担額より多いことが一般的であるのを見てもそれは分かるだろう。また、私のサイトもそうだが、数ある「もてない」系サイトの作者は、私の知る限り男性だったりもする。そんなことから、おおむね男性が売り手で女性が買い手という現在の構造が分かるだろう。
現在の「もてない」構造を描き出しているこのドラマに「もてない男の心の語り」の作者である私が興味を持たない方が不思議である。一発ではまったのも無理はない。
さて、でも、本当に男性の方がバタバタしているのか?一つのドラマで描かれていたからといって、周りを見回してそのように思われたからといってそう言いきれないのではないか?という疑念もあろう。では、ひとつ政府の調査報告から見てみよう。
第12回出生動向基本調査 結婚と出産に関する全国調査 独身者調査(国立社会保障・人口問題研究所)という調査がある。
そこに次図のようなデータが出てくる。
このデータは、18〜34歳未婚者を対象に取ったデータだが・・・「恋人として異性と交際している異性がいる」では男性の方が女性より10%以上低いし、「交際している異性がいない」は男性の方が女性よりやはり10%以上高い。しかも、男性の「交際している異性がいない」率は実に過半数を超えているのである。
まぁ、男性受難というか・・・ドラマにも描かれているような、彼女(結婚相手も含まれるだろう)を求めて苦労しているのは男性の方が多いようだなということが見て取れるのである。
ま、私もその一員であることには違いない。
全体の割合データは結果報告書に出ているが、結果の元データがまだ公開されていないので、統計的検定ができないので男女差が統計学的に裏付けられるかどうかは推測の域を出ないし、交際していなくても苦労しているとは限らないわけではある。また、女性の「交際している異性はいない」率の40.3%も低いわけではない。いろいろな議論は出てこよう。
ただ、このデータより、全くの憶測よりは、ドラマに描かれているような男性の苦労を客観的に垣間見れることも事実である。へぇ〜♪って感じである。
そして、そんな苦労が現在多く見受けられるからこそ、こういうドラマができてくるのであろう。
こうやって、結婚志願の男性たちの苦労を見るに、あたかも就職戦線と同じような「結婚戦線」みたいなものが形成されているとさえ考えられないだろうか。
結婚を志願してしまった時、男は一志願兵として、自分の特技・趣味・収入・ルックスなどの武器を片手に戦線へ突入して行かざるをえないのであろう。
(2003.11.8)