クリスマス・イブの現実

 現在(’98.12)にやっているテレビCMのなかで興味深いものにソニーのプレイステーションのCMがある。いろいろバージョンがあるのだが・・・「もてない男」的に興味を持ったのは・・・ウェイトレスが出てくるバージョン。

 そのCMのあらましは・・・クリスマスの夜働いているウェイトレス、食事にきているのはムードをかもし出しているカップル達ばかり、「ついてないなあ」とぼやきながら仕事をしていると皿をひっくり返してけがをしてしまう・・・ホントについてないのである・・・ほうほうのていで仕事を終えて外に出ると・・・プレステを抱えたぬいぐるみが立っている・・・ってここでめでたしめでたしで終わらないのがこのCMの面白さで・・・ワーッと駆け寄ろうとしたそのウェイトレスは上から落ちてきた雪をばさーっとかぶってしまう。とことんついていないのである・・・。そこで終わりなのですが・・・。

 このとことんついていない筋立てが興味深いところですね。よくテレビドラマの筋立てなどではどんなについていない役でも最後にはその補償として何かいいことが起こるようにしてバランスを取っている場合が多いですよね。たとえば、今日最終回だったテレビドラマ「じんべえ」では結局ヒロインに振られてしまう男は、ニュージーランドに留学するという筋で・・・まあ、バランスを取るように作られているかなと。この男は確かにすごく人がよくいい青年だったので単に振られ役で終わらせてしまうのは忍びないと思われるところなのですが・・・現実には、どんなに人が良くてもそうそうバランスの取れた結末が待っているわけではないでしょうしね。

 だから、このCMにしても従来なら今日はついていなかったけど最後にはプレステをもらえた〜良かった良かったとなるところであるが、そこをなお雪をかぶせるという意表を突いたところによって新鮮さが出ているように思われるんですよね。

 このCMのとことんついていないシチュエーションはなかなか現実的だなと思うんです。まあ、一人で寂しくクリスマスイブを過ごした・・・やっぱり最後までそうだった・・・それが現実ですもんね。寂しくすごしていると・・・電話が鳴った・・携帯が鳴った、チャイムが鳴って・・・こんなのはドラマの中だけなわけで・・・自分から動かねばまあなにも起こらないのが現実でしょうね。

 まあ、私の場合は・・・一人暮しの時・・クリスマスイブの日一人で寂しく過ごした、ラジオから流れる曲を録音していったら一大恋愛ソング集テープが完成したってなもんでしょうか。そういうテープをゲットできただけでもバランス良いのかな(^-^)。

 え?私の今年のクリスマスイブですか?ええ、仕事という重い現実がのしかかっていますよ(^-^)。

 

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