思い出のホールピペット

 理科の化学の実験で使う器具の一つにホールピペットというものがあります。まあ、基本的にはストローのように中が空洞のガラス棒で、真ん中ががちょっと膨らんで大き目の空洞、すなわち、ホールになっているからホールピペットというようなんですけどね。ストローのようにちゅーっと液体を吸い上げて矢印の線まで吸い上げて下図のように指で押さえると流れ出ないんですね、液体が・・・そして入れるところまで口を持っていって指を離す・・・そうすると、10mlなりの液体が正確にはかり取れるといった具合なわけで・・・。

 高校の化学の授業の中和滴定という実験でよく使われますね・・・中和滴定とはアルカリ性の液体(水酸化ナトリウムなど)の濃度を測るために行う操作です。このホールピペットではかり取った酸性の液体に濃度が未知のアルカリ性の液体をちょっとずつぽつぽつと加えて行って・・・ちょうど中和した時(フェノールフタレインというアルカリ性に感応して赤く変色する試薬によってその時が分かります)どれくらいそのアルカリ性の液体を滴下したかによってそのアルカリ性の液体のどの程度の濃度かが算出できるというわけで・・・。

                        『高等学校 新編化学』 第一学習社 1989年発行 より抜粋 

 ま、こんな小難しげな話しはまあいいんです(^-^)・・・

 要は 口で吸って使う器具 だということです。

 私は高校の化学の実験でこの中和滴定の実験やったんですね・・・うちの高校の化学の実験は、実験室で大体二人一組ぐらいでやっていまして・・・大体同性同士がくっついていたのでしたが・・・席の並び順で私は女の子と組んでやっていたんですね。

 まあ、となると・・・なんか男性の私のほうが率先してやることになっていたような感じがします(ただの私の思い上がりかもしれませんがね(^-^))、まあ、ガスバーナーにマッチで火をつけたりとかなんか私が率先してやったような記憶があります。さてこの実験でそのホールピペットを使ってシュウ酸水溶液を吸う操作があるわけです。

 でも、このホールピペット数が少なくて 二人に一本 しかなかったんですね・・・だから消毒用のアルコール綿も用意されていて・・・それで拭いて 共用 しなさい・・・といった具合なわけで。

 まあ、私の場合、男女で共用なわけで・・・よもや 間接キス ? とかよからぬ事を考えて・・・ってそんなことは考えてなかったんですよ、私は・・・そもそもすごくおくてだったんですから(^-^)。でも少しは意識はしたかな(^-^)。

 まあ、この操作に来た時・・・どっちが先にやるかって・・・結局私ですよね、前記のような事情で・・・で、僕は極めてビジネスライクにこの操作をしまして・・・まあ、このホールピペットの口のついた部分を丁寧にアルコール綿でぬぐって彼女に差し出しました・・・「する?」って感じで。

 ええ、差し出しましたよ・・・だって、彼女がこのホールピペットの操作をやらないのは公平ではないかもしれないし・・・彼女のその後の人生において、このホールピペットの操作をやれなかったことを一生悔やむかもしれない(これは大げさ(^-^))。それにこっちだって変に意識していると思われても・・・ねえ?

 ってわけで僕は努めてビジネスライクに・・・って自分ではそう思っていましたが、外からどう思われていたかはわかりません、内心すごく心拍数を上げながら・・・ホールピペットを彼女に差し出しました・・・「する?」ってね。

 

(設問) 彼女はその行動に対し、どのような反応をしたでしょうか?

配点30点

 1、 彼女は心なしかうれしそうにそのホールピペットを受け取り、同様の吸い上げる操作をした

 2、 彼女は、やはり私はいいという感じであった。

 3、 彼女は心もち躊躇したように見えたが、そのホールピペットを受け取り、同様の吸い上げる操作をした

 4、 彼女は、あからさまに「なにそれ〜信じられな〜い」と言って拒絶した。

 5、 彼女はそれを受け取り同様の操作をしようとしたが、シュウ酸を吸いこんでしまい、「すっぱーい」と言った。

 

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