ものや思ふと・・・

 

 「忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は   物や思ふと 人の問ふまで」 

 小倉百人一首の中に出てくるもので、平 兼盛という人が歌った有名な短歌です。

 百人一首はご存知の方も多いですよね・・・ええ、お正月とかによくやるカルタ取りとかでも使われますし、小学校とか中学校とかで百人一首大会などあったところもあるかもしれません。高校の国語の古典の授業とかでも習ったりしますので。

 まあ、私なんかも、百人一首はカルタ取りの一環として覚えましたね・・・小学校の時くらいから(^-^)・・・小学校くらいのときは少し強いとか言われたりしたこともありましたけどね・・ほら覚えていれば上の句聞くだけで下の句の書かれているカルタが取れるわけですからね(^-^)。でも、意味はほとんどわからなかったなあ・・・どうしてかって言うと、まあ、第一には古文であるっていうこと。もう一つには、百人一首の歌の歌詞の内容はかなり多くの部分が恋愛の歌なわけで・・・小学生かそこらでわかるはずもないわけです。反対に情景描写の歌なんかはわかりやすかったですね・・・。

 ええ、この歌も意味的には

 「隠してはいたけれども、顔色とか態度とかに出てしまう私の恋心、恋に思い悩んでいるのではないかい?とひとに聞かれるくらいまで・・・」

 っていう意味ですから・・・まあ、小中学生の頃はよくわからなかったですね(^-^)

 ま、今では・・・よくわかりますこの歌の意味(^-^)

 さて、中学校の時の男の先生がですね・・・なんかの話のはずみに「家には食事を用意して待ってくれているひとがいるというのに・・・」そんなような旨のことを言ったのですね(記憶に頼っていますのであいまいです(^-^))。多分「ひと」はよくありがちに「女性」と読み替えればよさそげな文脈でした。ええ、若い男の先生でしたね・・・そう僕は今20代後半ですが、もう少し若かったかもしれない(^-^)。そのあと「なんてね・・」みたいな感じでお茶を濁していたようでしたが・・・。

 その時は、ふーんって聞き流していたのでしたが、その後まもなく、その先生同僚の女の先生と結婚しましたね。すこし、女の先生の方が年上だったと思います・・・まあ、それはいいのですが。当時中学生だった私は、ああそうか、じゃ、あの時の発言はほんとだったのかなあなんて感じたりして・・・まあ、さしづめその男の先生はあの発言をしたところで前述の短歌にのっとって言えば「物を思っていた」のでしょうね(^-^)。私達生徒は問いませんでしたが、誰かに問われたかもしれませんね(^-^)。

 あれから、十数年、当時中学生だった私も20代後半・・・そんな今、ふっとその先生の話を思い出しました。考えてみれば当時のその先生の年を越えてしまったようです(^-^)・・・そう思ったらなんとなく切なくなってしまい、語ってしまいました(^-^)。

 いや別に結婚願望が強くあったりするわけではないんですがね・・・ああ、おれも老けたなっていう感覚でしょうかなんというか・・・。

 今は4月・・・年度も変わり何もかも新しくなったような気分がする今日この頃・・・「物思ふ」時節かもしれませんね(^-^)。

(1999.4.17)

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