パン屋になりたかった男
そう、わたし、パン屋になりたかったんですよ。
高校時代くらいでしたね・・・そんなこと思っていたのは。
進学校にいて、受験戦争の戦士としてバリバリやる気を出していた者が思うことでもなかったような気がしますけどね。
なぜか?
「理由はまだない」とか夏目漱石「我輩は猫である」の主人公の猫のように気取ってみても始まりません、実のところ、よくわからないんですよ・・・とりあえずなりたかったんですね。現実になれるかどうかも考えずにね。
まあ、人に使われるというのがいやだったのかもしれない。自立したかったというか・・・ま、もののわからない若者が思いそうなことです。
でも、自営をしたいということにはなりますが、そこでなぜパン屋かということは説明がつかないんですね。
まあ、受験戦争に疲れて・・・受験戦争のごくフツーの目指すべき路線である、いい大学行って、いいとこの就職する、そんな敷かれたレールに乗っかっていくことに反発してそんなことを思っていたのかもしれません。でもなぜパン屋だったのでしょうね(^-^)
そう、パン屋といえば、映画「恋愛小説家」で印象的に使われていましたね。その映画の中で、あのジャック・ニコルソン演じる恋愛経験もないのに恋愛小説家をやっている偏屈な男が、好きになってしまった女性のところに深夜12時も回ったころ押しかけたりします、しかも、その女性の実家にですよ、彼女両親もいるところです、そこがその小説家の変なところ、エキセントリックなところ、そして不器用で、そして、かわいいところなのですが・・・そして無事、その女性を口説き落として、時間はもうニワトリが朝を告げるくらいですよ。
そして、ラブラブな二人はどこに行こうかという話しになって・・・「パン屋はもうそろそろあくころだよ」って感じで、連れ添ってパンを買いに行く・・・遠くに朝早く暗いうちから煌々と明かりをともして開いているパン屋が見えてくる、そんなラストシーンでした。
とっても、素敵な(^-^)ワンダホーな脇役のパン屋さんでした(^-^)
そして、今現在の、私は・・・
パン屋してません、そう、当然のごとく(^-^)。
そもそも、朝が弱く、朝から「だりー」って感じの私にパン屋はちょっと適しているとはいえないでしょうね(^-^)
ま、そんなものですよ・・・なりたいなあと思っているもの、思っていたものはなってしまったら、もはや、憧れとして存在するものではなくなり、それが現実となってしまうわけですから。憧れてこそなりたいものってわけで。
え?「もてない男」っていうのは、なりたくてなった(ていた)のかい?ですって?
そんなこともないんですけどね・・・(^-^;・・・そんなわけではないと思うのだけれど・・・