「八丈島へ行きたかったんだけどねえ」

 

1. 八丈島へ渡ろうと思っているのだけどね

 ということで、僕は八丈島に向かっているわけだ・・・東京都の離島八丈島は・・伊豆七島最南端の島・・・

 いや、初めてではないのだ・・もう今回で3回目の訪問となる。

 また八丈島へ行くんだと知人に話したら・・「スタンプカードでもあればたまるのにね」といった旨のことを言われたが・・確かにそのとおりだと思う(^-^)

 八丈島・・結構ちっこい島である・・・車で回れば1時間とかからずして一周できてしまうのではないだろうか・・そして、正直何にもない感じである・・まあ、もともと流刑の地として名を馳せた島であるからそれはそれでもっともなことなのかもしれない・・・リゾートな島は流刑地にはならないであろうから。

 そう、なにもないところがよいのである・・・刺激の過剰に満ち溢れる都会に倦んだ時、何もないくらいの場所が恋しくなるものだ。

 八丈島はちょうど1年一ヶ月ぶりの訪問となる・・・今回もゆっくりと温泉と、うまい食事と、寝ることだけを考えてこようと思う。

 なんて思っていながら、今、東京の浜松町の近くの竹芝桟橋に来て船に乗らんとしているのだが・・・

 なんと、条件付出航とのこと・・なにそれ?って感じなのだが・・まあ、最悪の場合接岸できずに帰ってくることもありうるということらしい・・確かに雨も降っていて天候が悪いのではあるが。

 まあ、ここまで来て引き返すっちゅーわけにもいかんやろから乗るけどさ・・無事に着けるのだろうかね(^-^)・・・この旅行記が更新されていれば・・無事に着けてカプラー通信をしているって言うわけなのだろうが・・・

2001年1月25日(木) 22:10 東京・竹芝桟橋にて出航を待ちつつ、ついでに不安に駆られつつ

 

2. 波乱万丈の幕開け

 ということで私は船に14時間も揺られているわけで・・・え?八丈島までは10時間くらいで着くんでないの?

 そうなんです・・・結局条件付出航の東京へ引き返すというシチュエーションになってしまったのです。で、今東京湾を東京・竹芝に向けて帰っているとこ。

 朝5時頃アナウンスが入って、低気圧通過中で潮が引かないので結構に東京方面へ引き返しますとのこと。

 いやー、やっぱりショックだったよねー。ここからまた引き返すのかあって思うとねえ・・・。いや、一度は船で八丈島から帰るのは経験しているのだけど、やっぱ昼間の10時間は長いのよ・・行き道の夜の寝ながらの10時間はいいにしてもさ・・・なにより、少々時間はかかっても八丈島まで行きつけるだろうと思っていたから、引き返すというシナリオはかなり意外であったわけさ・・・ふう。まあ、安全第一だから仕方ないわけだがね。

 まあ、確かにすごい勢いでゆれていたよ・・・私は仕事帰りで疲れた身体で寝ていたのでその引き返すアナウンスの入る朝5時くらいまで熟睡していたし、起きた後まどろみながらも、「おお、かたむいとるかたむいとる」などとのんきに思うくらいで、まどろみを楽しんでいたくらいだったが・・・そうでない人もいたようだ・・まあ、寝る前に飲んだ麦茶ペットボトルのせいか、トイレに行きたくなったので、アナウンスのあと行ってみたら、トイレではゲーゲーやっている人がいて・・船酔いだよね。確かにこれだけゆれていれば酔う人もいるだろう。

 いや僕も乗り物酔いはしやすいほうで、電車なんかでパソコン打っていてもすぐオエオエな気分になってしまうくらい弱い方なのである。疲れている時、寝不足な時にゆれたりすると一発である。気仙沼に行った時、寝不足状態で遊覧船に乗って荒海に出てしまった時、かなり酔ったので・・その教訓を活かして、ぐずぐずせず、すぐに寝ることにする・・・。

 まあ、もうこうなったら 「ふて寝」 だべさね(^-^)やっぱ週の終わりで疲れていたせいか、ものの見事に寝入ることができて・・朝10時くらいだったかなあ・・これから東京湾に入りますのでゆれはおさまりますっていうアナウンスが入るまでグースカだったなあ・・・見事寝きってしまったよ(^-^)

 それはいいのだが・・・うーん、午後2時くらいに竹芝到着とのこと・・・こんなに長い間船に揺られたのは初めてだよ・・22時30分に出航、翌14時に帰港・・・そう元のところに(^-^)15時間半かあ・・・

 そういや、昨日、職場の人たちに「ああ〜♪明日の今ごろは〜♪僕は八丈島♪」とかチューリップの「心の旅」の歌詞をもじった文句を冗談として言いまくって、休暇取ってしまったのに・・・

 昨日の明日の今ごろ、すなわち、今日の今ごろは全然あなた達の近くにいますぜって感じで、激かっちょわりーぜと思ってしまっているが(^-^)

 ま、聞いてみると今夜また八丈島向けに出航するかどうかは未定とのこと、午後5時頃決まるってことらしい・・・まあ、出向するにしてもまた条件付出航だったりして引き返すことにもなるのかもしれないが・・・

 人生は船の航海にたとえられることも多い。航海、英語で言えばVoyage ボイッジ、フランス語読みではボヤージュ・・・テレビで日曜日の朝「人生は波乱万丈」とかいう番組さえあるものだ・・・っていうか今回は文字通り波乱万丈、波が万丈過ぎて・高過ぎて引き返すというわけだけどね(^-^)

 今日出航するのであればもう一度乗って行こうかなと思っている。

こんなガラ空きの船室を独り占めでした・・これはこれでよかったっす、っていうかこれで混みまくっていたらかなりいらついたことでしょう

 

 

 

 

 

2001年1月26日(木) 12:35 不安的中、東京・竹芝桟橋に戻りつつ

3. 帰港

 ということで私は船は1時半に竹芝に帰港した・・・行き道はタラップなど設けられていて華やかだったのが・・帰りはそのまま桟橋横付けで、かなり離れた位置であり・・・うーむ、ま、イレギュラーな帰港であるからそうなるのはいたしかたないだろう。再び東京竹芝桟橋に降り立った時、東海汽船の係員の「お疲れさまでした」の声もなんとなく・・・うーんって感じ。確かに疲れたけど、目的地に着いてのその言葉とはまた違うよね

 降り立った時、数えてみれば、大体12人くらいの乗船者数・・・うーん確かに空いていたはずだわ(^-^)

 乗船料金は全額払い戻されるとのことであったが、私はなんとしても八丈島に渡りたかったので(立って帰りの飛行機予約してしまっているんだもの(^-^))、払い戻しを受けずに今日の夜の便に乗る予約を取ってもらった。ほかの人たちは・・払い戻しを受けていたから・・うーん、これから飛行機にでも乗るのかなあ、それともあきらめてしまったのかなあと思いつつ、まだ午後2時くらいだし、今夜出航は22時位だしなあと思いつつ・・・これからどうしよっかと思ったのさ。

2001年1月28日(土) 1:53 全てが終わった後某所にて

4. せめて温泉へ

 なんか昨日の夜寄り道したゲーセンが、また開いている・・当たり前のことであるが妙に新鮮に思えた。なら踊ってやろうかということでダンスダンスレボリューションなど少しやるが・・・ 

 そっかあ、じゃあ、普段行きつけている、東京は大田区の平和島クアハウス(天然温泉)がここからそんなに遠くないじゃないかと思いたち・・・そういえば、どうせ今日の今くらいは八丈島で温泉にゆったり入っているであろうと、風呂にも入らないで出てきてしまったので風呂には入りたい・・・夜の出航まで間があるわけだし、平和島クアハウスに行くことにした。大きな荷物はコインロッカーに預けて平和島クアハウスに出かけることにした。

 本日出航かどうかは、17時頃には判明するらしいから、その頃電話すればよいだろうというわけさ。

 ということで、本当なら八丈島で結ったり大自然の中、温泉に入っているところが・・・東京都内のクアハウスである・・・うーむと思うが、ま、それもよいやろってわけ(^-^)

2001年1月28日(土) 2:02 全てが終わった後某所にて

5. ということでサドンデス

 まあ、温泉にひたって、今後の航海に備えていたが・・唯一気がかりだったのが、天気予報でまたまた低気圧が八丈島付近に近づいているということ・・・コリャ今夜の航海もだめかもなあ・・

 と思いつつ、17時も過ぎてきたので、東海汽船に電話を入れると・・今夜は八丈島への便は休航とのこと・・・

 やっぱショックだったよねえ(^-^)

 で、もう今回は八丈島に行くのはあきらめようと思ったわけさ・・

 いや明日は飛行機は飛ぶかもしれない・・でも船の3倍くらいかかるわけさ、費用がね。そんなに無理する必要もないだろうというわけさ。もう、昨日から今日にかけて15時間の航海をしているわけだ・・三宅島沖まで行って引き返したわけさ。もう十分さ。

 そういうわけで、僕は自分で自分にタオルを投げた。

 飛行機の方もキャンセルは可能であったが、運賃の半分(3,500円)と手数料(420円)プラス振込み手数料(500円程度)を振りこんだ7000円から引かれて・・結局4500円程度の損失であったが、わずかでも返ってくるのは救いであった(バーゲン価格だからしょうないね)(^-^)

 宿もキャンセルの電話入れておいてみたりした。まあ、不可抗力とはいえ、二晩続けてキャンセルしてしまって、悪いかなあとやや恐縮気味に話していたら、宿の主人の方も恐縮していて「懲りずにまた来てくださいよ」って感じ。
 「よくあることなんですか?」って聞いてみたら、いやーこんなに重なって低気圧が来るのは珍しいとのことで・・・夏なら台風みたいなもんですよみたいな話・・そうだろうそうだろうと思いつつ・・・今回のは得がたい経験として、プラスに考えて行くことにしたよ(^-^)地元民でもなかなかないシチュエーションに遭遇した男っちゅーことさ(^-^)

 ということで、15時間太平洋クルーズで今回の旅は終幕であったが、なかなか劇的な感じであったわけさ

 まあ、とほほなんだけど、ネタ的にはすごく面白いネタゲッチューということでよいほうに考えて行くわ(^-^)

 まあ、僕も長い旅人生、こんなサドンデスは初めてだよ(^-^)



もう飲まなきゃやってられんすよ(^-^)

 

 

 

 

 

 

   

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