「360°の風景を求めて」

 

1.旅立ちの時期

 結局、年末のこの時期はなんだかんだと言って旅に行きたくなるのだ。

 去年は、クリスマスの時期に東北を旅したし、一昨年はそれこそ年越しを北海道札幌でしたのだ。

 まぁ、夏に大きな旅をしてからその後ある一定の期間がたっていきたくなる周期になっていること、また、年末は休みだしね。

 で、今回はどこに行こうか。

 実はあまり決めていなかった。

 寅さんみたいに、あてどもなく行ってみたかったのだ。

 そして、千葉県は銚子の近くの、岬の先っぽである犬吠埼に来てみた。

 いや、本当は滋賀県の大津市に行こうかと思っていたし、知人にはそんなことをほのめかしていたのだが、結局こんな感じだ。まぁ、あてどもないといえばそうだね。

 

 2002年12月30日(月) 0:39  外川の民宿にて

 

2.360°の風景を撮りたい

 そう、犬吠埼には一回来たことがある。幼い頃、家族旅行でだ。

 その時もとても気に入った場所であった。

 その地形上、ほぼ360°のパノラマの光景が見れる場所で有名だ。

 最近写真が好きなので、このパノラマをもう一度見てみたい。そして撮ってみたいそういうたけの思いが強かったので、そのためだけに来たといってもよい。

 期待通りの光景だった。見事な光景だった。そして天気ももったいないくらい晴れていた。

 とてもとても寒かったけどね。

 2002年12月30日(月) 0:45  外川の民宿にて

3.うれしい温泉

 しかもうれしいことに犬吠埼には温泉がわいていた。高級ホテルが日帰り入浴などでの解放も積極的にしていた。

 うれしいことだ。

 風景を撮り終わると、温泉に入りに行った。しかも、夕日が落ちていくたそがれの時間帯に海を見ながらの露天風呂は最高に気持ちがよい。

 とてもうれしい。

 2002年12月30日(月) 0:50  外川の民宿にて

4.求む民宿

 でもって、温泉に入った高級ホテルに泊まるほどリッチではないので、今夜の宿は民宿なのだけど・・・だからといってこれも見つけるのが大変だったんだ。

 って、銚子駅の観光案内所で紹介頼んだんだけど、年末の繁忙期、どこもいっぱいだったり、一人泊まりは受け入れないところがあったりして・・・何軒もかけてもらってやっとみつかったところだ。

 犬吠埼から銚子電鉄の電車に乗って一駅行ったところ、終点 外川という漁港の町の民宿なのだが・・・この外川・・・実はNHK朝ドラの「澪つくし」の舞台になっていた町だった。

 澪つくし は好きなドラマだったので、ほほー、ここはそうなのかぁと、感心しきり。

 それもそのはず、いまでもその時まんまという感じのレトロな町並みだから、すごい。

 それまでろくすっぽ飯も食べれていなかったので民宿でのご飯をもりもり舌鼓を打ち、幸せな気分で「あいのり」などを見ていたりして、結構幸せが続いたのではないだろうか・・・ってそれを帳消しにするようなバッドなこともあったのだが・・・それはここではあえて言わないでおこう。

 るん♪

 2002年12月30日(月) 1:01  外川の民宿にて

5.銚子ポートタワー

 朝起きて、12月30日の朝、食事を済ましてチェックアウト後、外川の漁港を散策。

 まぁ、ぜいたくだよね、休日の八時台、いつもならウィークデイの疲れから抜けきらずぼけーっとしているか、まだ寝ているか、もしくは、中学生日記を見ているかもしれないが、とてもじゃないけど漁港を散策するなんてことはない。

 漁港の近くでお泊まりということのぜいたくさだ。

 その後、せっかく銚子の景色を見に来たのだから、銚子ポートタワーというのに登ってみようと思ったのだ。ここはまだ登ったことがない。

 ふらふら外川の駅まで歩いていくと、電車は行ったばかり。次の電車まで結構待つ、20分くらいか。ローカルな電車だ。

 そして、銚子ポートタワーの最寄り駅である、笠上黒生という駅で降りるものの、ここから30分近く歩くとのことで、てくてく歩いていくと、どの家も大掃除である。車を洗っていたり、お子さんが網戸を洗っていたり・・・そうだよなぁそういう時期だよなと思いつつも、一応の大掃除を終えてきた僕は結構余裕な気分である。

 銚子ののどかな風景を楽しみつつ、歩いていくと、ようやっと着く。

 結構眺めは見事である。犬吠埼の方の地球が丸く見える展望台とはまた違った良さがある。間近に海が見えるということだ。実は銚子は、かの大河、利根川の終着点でもあるわけで、その様子が手に取るように見えるのが印象的であった。

 でも、ここに行く時は、電車から歩くより、銚子駅からバスに乗って直接来た方がよいかもね。銚子駅までバスでひとっ走りで帰れた。でも、バス代は東京に比べて高いような気がした。経営苦しいのかなぁ。

 2002年12月31日(火) 0:39  自宅にて

6.思い出はないけど九十九里浜

 「思い出の九十九里浜」という歌があったと思う。

 まぁ、思い出はないけど、九十九里浜はぜひ行ってみたかったところだ。ということで、銚子から九十九里浜の見学をしてから帰ろうと思ったわけで。

 東金の駅で途中下車をして、九十九里方面の路線バスに乗る。

 まぁ、一時間に一本ペースなので、ここでも結構待ったわけだ。やはり、こういうローカルな地方では車は必需品なのであろうなぁと実感。

 でも、ぶらり旅なので、気長に待つ。

 バスに揺られて、しばらくすると、片貝海岸の付近まで行ける。まぁ、九十九里浜の一部である(それにしてもバス代は高いと思うな、500円ほどかかったから、むむぅ、東京とかで同じ時間乗ってもそんなにかからないと思うのだが)。

 すごい見事だった。あっちからこっちまで砂浜。なるほど、九十九里浜だ。でも、本当は九十九里(一里4キロだから396キロメートル)はないらしいが。

 しかも、砂に波紋ができているんだ。こんなの見たことなかったよ。砂丘とかならあるのかな。

 ということで、このように訪れたことによって僕にとって九十九里浜は思い出になったのさ♪

 2002年12月31日(火) 0:49  自宅にて

7.終わりに

 今回の旅は、さほど遠出をしなかった。実際すべて普通電車とバスを使ったわけで。

 まぁ、気の向くままに行ったら、それがたまたま近場であったということもあるし、また、金銭的にもさほど大きな支出をしたくなかったということもある。

 しかし、近場であっても、一泊するということにより、ずいぶん旅の雰囲気は出てきた。

 移動時間に長い時間をかけないことにより、行程にも余裕が出た。 

 こういう旅もありだなと思った。

 2002年12月31日(火) 0:54  自宅にて

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