フランスパンと「来ちゃった」

 
 ドラマにおいては、よく、押しかけ女房的に女性が男の一人暮しの部屋に食料品の詰まった買い物袋を持ってやってきてご飯作ってあげてるシーンとかあるじゃないですか。女性の方は「来ちゃった」とか照れくさそうに言っちゃって、男性の方は結構ぶっきらぼうに「なんだ、お前か。まあ、入れよ」なって言っちゃっている場面ですよ。

 一人暮しをしていなかった頃は一人暮しをするとこんな事があるのかもしれないなあなんて憧れていたものでしたが、一人暮しをそれなりに長く経験してこんなことめったにあるもんでないんだと感じてしまった今、このようなシーンを見ると「なーに言ってんだよ」っていうような感じになりますが(ひがみ入りまくりです)。

 そんなこんなでドラマではこのような「来ちゃった」シーンを含め、男女の結婚・同棲生活のシーン良く出てきます。その際の、新妻役とか、同棲している女性の役とかって、なぜか買い物のシーンが良く出てきますよね。そこまでは分からんでもないですが、なぜか、抱えている買い物袋がパンパンでフランスパンの頭が飛び出ていることが多いじゃないですか。

 あれってなぜなのかなあって。思いませんか?一般的な食材ではないじゃないですか。しかも、夫なり、同棲相手が帰ってきたりすると、「あなたー、今夜はすき焼きよー」ってなってたりして・・・・。おいおい、フランスパンどこに行ったんだよってね。

 しかも、次の朝の場面で、野際陽子なりが扮する姑さんあたりから「○○子さん!!この味噌汁ちょっとしょっぱいんじゃない?うちの○男はこういうのはだめなんですよ!!」なんてシーンが出てきますと、だーーっ、和食じゃねーか、昨日買ったフランスパンはいずこ・・・。ってことになってしまう。

 まあ、そこまでの整合性は誰も考えないのかもしれませんね。

 こんな風に分析してしまう私はやはり「来ちゃった」シーン を頑強に否定したいんですね。今まで経験した一人暮し生活を通してそんなシーンは皆無だったし、要するにもてない男であったことは変わりないわけで・・・。

 でも、ドラマにあるような「来ちゃった」シーンって現実に存在するのでしょうか?家に帰ってみたらドアの前でかわいい後輩の女の子が待ってたとか、日曜日の朝チャイムが鳴って寝ぼけまなこをこすりながら出てみると知り合いの想いを寄せていた女性が立っていて「もう、汚いわねえあなたの部屋。たまには掃除しなくちゃ。まあいいわ、あたしが大掃除をしてあげるわ。日頃ろくなもの食べてないでしょうから食事も作ってあげるわ、たまにはきちんと栄養補給しなくちゃね」な〜んてシーン。

 まあ、私の場合、日曜日の朝チャイムが鳴り寝ぼけまなこをこすりながら出てみると、NHKの集金だったってなもんですよ。

 でも、やっぱり、いわゆる「もてる男」には起こり得る話しなんでしょうね。

 「来ちゃった」シーン、もし現実にあるのなら、生涯に1度は体験してみたいなあ。
  
 
 

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